1999夏のGFDセミナー(1999/08/24) 「乱流ダイナモ - 擬スカラー不変量と乱流及び磁気乱流中の構造維持機構」 横井喜充(東大生産研) ■目次(001-002) 001: 目次1 002: 目次2 1. はじめに A.乱流輸送・カスケード B.Reynolds 分解 C.モデリング 2.N-S乱流 3.MHD ダイナモ 4.応用 ■はじめに(003-016) 003: 乱流の特徴 乱流が発生すると平均的な流れ場は一様に近付く. 対称性がよい. 004: NS 渦度方程式と MHD 地場誘導方程式の類似性 005: Reynolds 分解 NS方程式を平均場と乱れ場に分解したときに, 平均場の方程式に現れる 乱れ場の量の 2 次相関をどのように評価するかが問題. 006: モデリングの考え方 DNS の場合, エネルギーを多く保持するスケール L から散逸スケール l まで分解しなくてはならない. これは大変. K-εモデルで考察すると L/l = Re^{3/4} (Re = UL/ν) となる. レイノルズ数が増加すると L と l の間隔が増加する. 007: 乱流クロージャーの問題 何らかの平均操作を行なった場合に現れる高次相関量をどのように扱うか? 008: 渦粘性モデル 渦粘性をどのように評価するかが問題. 009: 渦粘性モデル;0 方程式 渦粘性 = 乱流速度 x 混合距離 乱流速度は平均場のシアー x 混合距離(混合距離理論). 混合距離はパラメータ. 混合距離の決定が問題. νt = v_t x l_c v_t = l_c x grad U plane mixing layer シアー流によって発生する乱れ plane jet ジェット流(吹き出し口が長方形) round jet ジェット流(吹き出し口が円) radial jet ジェット流(吹き出し口が?) plane wake 障害物の周囲の伴流 問題点 ・平均速度勾配と渦粘性が直結している. 速度勾配はないけと乱れの強い領域を表現できない. 010: 渦粘性モデル;1 方程式 乱流速度を輸送方程式を用いて予報する. 乱流速度は乱流運動エネルギー K から診断する. νt = C1 x K ^1/2 l_c 未知パラメタは ・乱流速度を乱流運動エネルギーから診断するときの係数 ・散逸スケールl_c(混合距離) ・散逸率の係数 (・乱流プランドル数) 利点 ・速度勾配はないけと乱れの強い領域をある程度表現できる. 問題点 ・混合距離に相当するパラメータは決めなくてはいけない. 011: 渦粘性モデル;2 方程式 l_c を求める. K 方程式における散逸項をεとして, εの時間発展を求める. ε=C2 x K^3/2 / l_c から l_c を得る. 未知のパラメータは ・乱流速度を乱流運動エネルギーから診断するときの係数 C1 ・乱流プランドル数σ1 ・l_c を散逸率εから診断するときの係数 C2 ・ε時間発展式に現れる係数 C3, C4 ・εに関する乱流プランドル数σ2 利点は ・l_c を求められる. ・パラメータは比較的普遍性をもって与えられる. 012: 擬スカラーの特徴 鏡映対称性の破れるようなスカラー量 (軸性ベクトルと極性ベクトルの内積) ヘリシティ: 流れ場のねじれの向きを表す量 ω X U 013: 種々の擬スカラー量 圧縮性 NS 方程式において力学ヘリシティは保存量となるか? 014: 保存量カスケードの描像 平均量の消滅 = 乱流量の生成 015: ヘリシティの力学的イメージ 渦管のからみあい 016: 文献リスト ■NS乱流における力学ヘリシティ効果(017-029) 017: NS乱流における力学ヘリシティ効果 018: TSDIA の計算 two-scale DIA 019: 020: TSDIA の主要結果 直観的に理解できるか? 021: 応用 回転系 自転惑星表面の大規模渦構造 - 土星の白斑 - 台風, サイクロン 旋回流 022: 023: 024: 025: 旋回乱流問題 026: ヘリシティを考慮した K-ε モデル(K-ε-H モデル) 027: 計算結果 028: ヘリシティ乱流成分の分布図 029: 参考文献2 ■MHD 乱流(030-) 030: MHD乱流 アルファ/クロスヘリシティ 031: 032: 一般化されたオームの法則 電子の運動方程式で時間変化と非線形項を無視することで導かれる. サイクロトロン振動数 << 衝突振動数の場合に普通のオームの法則 になる. 033: 034: 非圧縮MHD方程式 035: Reynolds 分解 乱流起電力をどのように評価するかが問題となる. 036: 乱流ダイナモ 乱流起電力 E= αB - βJ + γΩ α 残留ヘリシティ β 乱流MHDエネルギー と関係がある. γ 乱流クロスヘリシティ レイノルズ応力に磁場とヘリシティの効果を考慮する. 037: 038: α効果とクロスヘリシティ効果 α効果 磁力線がヘリシティのためにねじれて J を作る. クロスヘリシティ効果 039: Elsasser 変数 040: β効果の模式図 041: α(ヘリシティ)効果の模式図 042: クロスヘリシティ効果の模式図 043: クロスヘリシティ乱流モデル 044: 045: 046: 047: ■物理現象への応用 048: 銀河円盤 049: 050: 降着円盤 双極分子流にともなう強い磁場 051: 052: 053: 054: 核融合プラズマ(トカマク炉) 055: 056: