地球流体セミナー (GFD seminar)

毎年夏に定期的に開催しています. 「各参加者(聴衆)個々人による(自己満足的)理解の追求」を合言葉に, 話題提供者による地球流体力学に関連した個々の問題に対して じっくりと時間をかけて議論することを目的としています.

地球流体セミナー運営グループ (gfdsemi-admin at gfd-dennou.org) が 中心になって開いています.

次回セミナー, 関連研究集会予定

夏の GFD セミナー

2020 年夏に予定しておりました夏の GFD セミナーは, COVID-19 の状況を鑑みまして開催を 1 年延期することにいたしました.

GFD オンラインセミナー

zoom にて開催します. 参加希望者は gfdsemi-admin (at) gfd-dennou.org までその旨ご連絡ください.

GFD オンラインセミナー 第 5 回

  • 日時:

    2021 年 6 月 17 日 (木) 13:00 - 15:00

  • 話題提供者とタイトル:

    岩山隆寛 (福岡大学理学部) 「2次元乱流・地衡流乱流におけるエネルギースペクトルとフラックス不等式」

  • 要旨:

    大気のエネルギースペクトルは水平規模が1000km程度では水平波数kの-3に比例し,100km規模ではkの-5/3に比例する形状を持つことは,Nastorm&Gage(1984)の研究以降よく知られている.このようなスペクトルはしばしばNGスペクトルと呼ばれている.NGスペクトルを2次元乱流や地衡流乱流の観点から説明する試みがNastrom & Gage(1984)の研究以降精力的に行われてきた

    Tung & Orlando(2003)(以降TO03と略記する)はベータ平面上の2層準地衡流渦位方程式の高解像度数値計算によって,2層準地衡流系でNGスペクトルが再現できると主張した.彼らは波数空間内のエネルギーフラックスPi_EとエンストロフィーフラックスPi_Zの差k^2 Pi_E-Pi_Zを導入し,k^{-5/3}の領域ではこのフラックス差が正になること,この波数領域でエネルギーフラックスがエンストロフィーフラックスよりも卓越している,という解析結果と解釈を示した.TO03は現在までに100編近い論文に引用されているにもかかわらず.彼らのように2層準地衡流渦位方程式の数値計算でNGスペクトルを再現した報告はない.

    一方,フラックス差に関してはいくつかの重要な進展があった.Gkioulekas & Tung(2005)は,強制散逸2次元乱流においてはこのフラックス差は負値であることを紹介し,Danilov不等式と呼んだ(フラックス差が負値である証明はDanilov によって行われpersonal communicationによって彼らに知らされたらしい).Danilov不等式は強制散逸2次元乱流における2重カスケード過程の証明に必要な不等式として重要なものであることが認識されている.

    このような背景のもと,Iwayama et al.(2019)ではTO03の追試を目指して,2重周期境界条件でf平面上の準地衡流渦位方程式の数値実験を行った.2層準地衡流系ではフラックス差は地球流体力学的に標準的な設定では符合不確定である.数値計算の解像度に注意しながらTO03も含み彼らよりも広範なパラメター範囲で数値計算を行ったがフラックス差は負値であり,TO3が主張するDanilov不等式の破れやk^{-5/3}スペクトルは実現しないことを示した.セミナーでは,Danilov不等式の紹介,Iwayama et al.(2019)の紹介,及び,まだ予備的な結果であるが,ベータ平面上の準地衡流渦位方程式の数値実験の結果を紹介する.

  • 参考文献:

    Gkioulekas and Tung, 2005, Dicsrete and Continuous Dynamical Systems B5, 103.

    Iwayama, Okazaki, and Watanabe, 2019, Fluid Dynamics Research, 51, 055507.

FDEPS (Fluid Dynamics in Earth and Planetary Sciences)

2020 年 11 月末に予定しておりました FDEPS2020 は, COVID-19 の状況を鑑みまして開催を 1 年延期することにいたしました.

GFD セミナー過去の資料

これまでに行われた地球流体セミナー (GFD seminar) の講演資料はこちら. 姉妹編ワークショップ「地球惑星科学における流体力学」(FDEPS)の資料も並べてあります.

裏方

  • 地球流体セミナー運営グループ
    • 相木 秀則 (名大・宇地研)
    • 伊賀 啓太 (東大・大気海洋研)
    • 石岡 圭一 (京大・理)
    • 石渡 正樹 (北大・理)
    • 岩山 隆寛 (福大・理)
    • 樫村 博基 (神戸大・理)
    • 酒井 敏 (京大・総人)
    • 佐々木 洋平 (摂南大・理工)
    • 杉本 憲彦 (慶大・法)
    • 杉山 耕一朗 (松江高専)
    • 高木 征弘 (京産大・理)
    • 高橋 芳幸 (神戸大・理)
    • 竹広 真一 (京大・数理研)
    • 中島 健介 (九大・理)
    • 西澤 誠也 (理化学研究所)
    • はしもとじょーじ (岡山大・自然科学)
    • 林 祥介 (神戸大・理)
    • 村上 真也 (宇宙航空研究開発機構)
    • 柳澤 孝寿 (海洋研究開発機構)
    • 山田 道夫 (京大・数理研)
    • 吉田 茂生 (九大・理)
    • 余田 成男 (京大・理)
  • 提供 : 「mosir プロジェクト」
  • 問い合わせ先 : 地球流体セミナー運営グループ
    • gfdsemi-admin at gfd-dennou.org