フーコーの振り子


回転台の回転周期が振り子の振動周期に近くなって来ると, コリオリの力の影響が顕著になり振子の軌跡は丸みを帯びてくる. 下の写真のように, 回転周期 Tr と振子の周期 Tp の比 n = Tr/Tp が簡単な有理数になる時, 振子の軌跡はきれいな花ビラ型になる.

さらに回転数を上げて回転周期と振子の周期が一致したとき, 振子の運動を回転系から見ると往復運動ではなく円運動になる. この時, 回転系の等ポテンシャル面(重力と遠心力の合力の等ポテンシャル面)が, 振子の振動面 (振子の支点を中心とする球面) とほぼ一致するので, 振子の運動は回転系の水面に拘束された運動, すなわち慣性振動と見なすことができる.



n = 5

まだ, 「往復運動」という雰囲気がある.


n = 3

だんだん軌跡が丸くなる.


n = 2

かなり丸くなった.
ある花びらの先端からはじめて振り子が一周期振れると, 反対側の花びらの先端に来る.


n = 1.5

もはや, 「往復運動」というより「回転運動」に近い.


n = 1

慣性振動
回転中心は振り子の円運動の中心ではなく, 円上の一点である.

撮影条件

   [f=50mm, F3.5, バルブ撮影, ASA100, ND2フィルター使用]