2 次元球面モデル : 球面調和関数展開

課題 0

Bains (1976) で議論された帯状流安定性問題を spmodel zonalflow シリーズに適応し,spmodel の 精度を確かめた.用いたスキームは 4 次精度 Runge-KuttaCrank-Nicolson and Adams-Bashforth (2次精度)Euler (1次精度) である.以下に計算結果をまとめる. Vorticity amplitude および Zonal wavenumber はそれぞれ Bains (1976) table 1 にまとめ られている,帯状流が不安定になる基本場の相対渦度と系の回転角速度の比および 最も擾乱が強くなる東西波数である.それぞれのスキームについて安定・不安定がはっきり確認できた 基本場の相対渦度と系の回転角速度の比を載せた.

Vorticity
amplitude
Zonal
wavenumber
spmodel
Runge-Kutta
spmodel
Adms-Bashfold
spmodel
Euler
Wave A M 安定 不安定 安定 不安定 安定 不安定
+P30 0.799 2 0.798 0.799 0.798 0.799 0.798 0.799
-P30 0.264 1 0.264 0.265 0.264 0.265 0.264 0.265
P40 0.161 1 0.15 0.156 0.15 0.18 0.16 0.18
+P50 0.362 3 0.36 0.365 0.364 0.365 0.364 0.365
-P50 0.0777 1 0.077 0.078 0.077 0.078 0.077 0.078
P60 0.0564 1 0.055 0.059 0.07 0.08 0.041? 0.08
+P70 0.1957 3 0.18 0.194 0.19 0.2 0.193 0.196
-P70 0.0353 1 0.032 0.036 0.03 0.036 0.01? 0.04
+P80 0.0292 1 0.029 0.04 0.02 0.03 0.01? 0.04
-P80 0.0204 1 0.02 0.03 0.02 0.03 0.02? 0.04
P90 0.122 1 0.122 0.13 0.13 0.14 0.1? 0.135

計算結果・計算パラメタ
4 次精度 Runge-Kutta
Crank-Nicolson and Adams-Bashforth (2次精度)
Euler (1次精度)


課題 1

剛体回転流(n=1)のみをノイズなしの初期条件としてあたえ,それが振幅によらず定常に保たれることを確認せよ.

課題 2

剛体回転流(n=1)にノイズを与えた場合に,回転角速度と基本流の渦度の比をいろいろ 変えてみて基本流が安定であることを確認せよ.

課題 3

剛体回転流(n=2)の基本流についても同様に行え.

課題 4

n = 3 以上の波数の基本流は不安定となる可能性がある.Bains (1976) の表 1 と図 1 を 参考にして,n = 3 から順番に,不安定となると予想される基本流の渦度と回転角速度との 比の値より大きい値を与えた場合と小さい値を与えた場合の時間発展をそれぞれ計算し,臨 界値をこえた状況でのみ基本流が不安定となることを確認せよ.また,発生する不安定場の 帯状波数が予想されているものと一致しているかも確認せよ.

参考文献:

Baines, P. G., 1976:
The stability of planetary waves on a sphere.
J. Fluid Mech., 73, 193--213.