deepconv/arare インストール手引

  1. 動作環境
  2. コンパイルに必要なソフトウェア
  3. ビルドの手順
  4. ソースツリー以下の主要なファイルとディレクトリ

動作環境

2014 年 02 月 17 日現在, 以下の環境での動作が確認されています.

いくつかのコンパイラに関する注意書き も参照下さい. 他のコンパイラについても当てはまる場合があるかもしれませんので, 下記の動作チェックがうまく行かない場合にはご一読ください.

コンパイルに必要なソフトウェア

deepconv/arare をビルドと実行には以下のソフトウェアを事前にインストール しておく必要があります.

netCDF (バージョン 3.6.x)
gtool5 ライブラリ
LAPACK/BLAS
MPI ライブラリ

開発者にとって必要なソフトウェア

ソースコードを編集したり, ドキュメントを生成するためには以下の ソフトウェアを事前にインストールしておく必要があります. (tar.gz パッケージには既にドキュメントが同梱しています)

ビルドの手順

ソースの入手

wget などでソースを入手

$ wget http://www.gfd-dennou.org/library/deepconv/arare/arare5_current.tgz

tgz ファイルの展開, ソースディレクトリへの移動

$ tar -xzvf arare5_current.tgz
$ cd arare5-YYYYMMDD

環境変数の設定

コンパイラを指定する.

$ export FC=(コンパイラ名)

Config.mk の作成

展開されたディレクトリに移動し, ./configure を実行します. コンパイルに必要なライブラリでインストールした各ライブラリを 以下のオプションに指定する必要があります.

--with-netcdf=ARG
netcdf ライブラリ (*.a) のファイル名.
--with-gtool5=ARG
gtool5 ライブラリ (*.a) のファイル名.
--with-lapack=ARG
lapack ライブラリ (*.a) のファイル名.
--with-blas=ARG
blas ライブラリ (*.a) のファイル名.
--with-mpi
MPI を用いた並列化を行う場合

例えば以下のように指定します. このコマンドによって Config.mk ファイルが生成されます.

$ ./configure \
  --with-netcdf=(netCDF ライブラリファイルの絶対パス) \	
  --with-gtool5=(gtool5 ライブラリファイルの絶対パス) \
  --with-lapack=(LAPACK ライブラリファイルの絶対パス) \
  --with-blas=(BLAS ライブラリファイルの絶対パス) 

並列化を行う場合,

$ ./configure \
  --with-netcdf=(netCDF ライブラリファイルの絶対パス) \	
  --with-gtool5=(gtool5 ライブラリファイルの絶対パス) \
  --with-lapack=(LAPACK ライブラリファイルの絶対パス) \
  --with-blas=(BLAS ライブラリファイルの絶対パス) \
  --with-mpi

ビルドには GNU make が必要となるため, configure は PATH 内から 自動で GNU make を探査しようとしますが, もし見つからない場合, エラーを返します. その場合には環境変数 MAKE に GNU make コマンドを指定して再度 configure を実行してください.

Debian package を利用している場合

gfortran, netcdf, gtool5 の Debian package を使用する場合には, 以下のように configure を実行すれば良いです.

$ export FC=gt5frt 
$ ./configure

Config.mk の編集

上記の configure によって, 基本的な設定が記述された Config.mk ファイルが作成されます. しかし, 環境によっては configure のみでは不十分な場合もあるため, 必要に応じて Config.mk を手動で編集して下さい.

以下に主要な設定項目を挙げます.

FC
Fortran コンパイラ
CPPFLAGS
プリプロセスのためのフラグ. MPI を利用する場合は, CPPFLAGS = LIB_MPI とする.
SYSFFLAGS
コンパイル時・リンク時に必要なフラグ (Fortran コンパイラ実行時に必要なオプション)
SYSLDFLAGS
リンク時に必要なフラグ
SYSLDLIBS
リンク時に必要なライブラリ
prefix
deepconv のライブラリ, モジュール, 実行ファイル, ドキュメントのインストールディレクトリ
MAKE
GNU make コマンド
AR
アーカイブコマンド
ARFLAGS
アーカイブ時に必要なフラグ
RANLIB
アーカイブのインデックスを作成するコマンド

ソースのコンパイル

コンパイルは GNU make を用いて行う. ソースツリー直下で

$ make

を実行するとソース直下の以下のディレクトリに実行ファイルとライブラリ, モジュールファイルが展開される.

./lib		ライブラリ libarare.a が格納される
./main		実行ファイルが格納される
./include	各種 *.mod ファイルが格納される

main 以下には次の実行ファイルが格納される.

arare           雲対流モデル
arare_init-data 初期値ファイル作成用実行ファイル

ドキュメントをコンパイルする場合には以下のコマンドを実行して下さい.

$ make doc  

アンインストールの手順

src ディレクトリ以下のオブジェクトファイル, 実行ファイルの消去は

$ make clean

とする.

数理モデル解説と離散モデル解説, インストールの手引, 利用の手引とコードリファレンスの消去は

$ make clean.doc

とする.

$ make clean.all

とすると, 上記のすべてと Config.mk ファイルが消去される.