放射MTGメモ(2016/03/08)

参加者

  • 倉本圭, 石渡雅樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 論文作成に当たっての課題・検討事項の確認と, 対処法の議論.
    • 低温圏界面が, なぜ120K なのか
      • CO2 を加えた場合に圏界面温度が上昇することについて, バンドモデルを用いて検討行った.
        • バンドモデル
          • 吸収バンド: 0 - 500 cm-1 or 500 - 1000 cm-1
          • 吸収物質の分布は, 2 通りを仮定:
            • 1. H2O-like: 対流圏で飽和水蒸気圧で飽和, 成層圏は圏界面混合比で一定
            • 2. CO2-like: 大気全層に渡って混合比一定 (= 355 ppmv)
          • 一分子あたりの吸収断面積は, 6 通りを計算:
            • 1e-30, 1e-28, 1e-26, 1e-24, 1e-22, 1e-20 [m2/molecule] (圧力, 温度, 混合比に依存しない)
          • 鉛直温度プロファイル:
            • 地表面温度 320K. 対流圏は, 断熱温度勾配. 成層圏は等温.
        • 結論
          • 吸収波数帯の波数領域により放射バランスする圏界面温度が異なる.
            • 圏界面温度が低い場合, 0 - 500 cm-1 (H2O の吸収帯) に吸収がある方が冷えやすい
          • 吸収物質の鉛直分布が圏界面の放射バランスに重要な要素である.
            • H2O は成層圏で光学的に薄く, line center で tau = 1 は対流圏にある.
            • CO2 は成層圏で光学的に厚く, line center で tau = 1 は成層圏にある.
            • 結果として, 圏界面の放射バランスは, H2O は line center, CO2 は line wing が決めている.
        • コメントなど
          • CO2 の圏界面温度が 240K 程度と高温になる結果 (地表面温度 320K) が気になる.
          • 地球のような地表面温度で確認してみる.
  • mtg 資料

木星大気の計算 (高橋康)

  • 投稿論文
    • 概ね完成しつつある
    • 残りの懸念事項
      • Raman 散乱の効果
        • 現在のモデルには, Raman 散乱は未導入.
        • 現在のモデルでは, 高波数のアルベドが大きく見積もられる.
        • 原因として, Raman 散乱の効果と, 未知の物質の吸収が考えられる (Marley+1999).
        • 未知の物質の寄与を議論するために, Raman 散乱を導入したい.
        • Raman 散乱の扱いについて先行研究を調査中.
        • 導入する場合は, 定式化, パラメタなどを大西に相談.
      • 低解像度計算の影響評価

3/22 (火) の研究会

  • JAMSTEC 野田さんと放射モデルについて情報交換

次回の日程

  • 3/14 (月) 9:00-