dcpam3 を用いて同期回転惑星のテスト計算を行った.
計算設定は以下の通りである.
- 入射太陽フラックスが経度 90 度から経度 270 度の半球領域にのみ入射し,
残りの半球には入射しないものとする.
昼半球と夜半球がずっと存在する状況に対応する.
- 太陽定数は 1380 W/m^2.
- 放射スキームは agcm5 のデフォルトと同じ計算.
4 色のバンドモデル.
すぐに灰色で計算し直すつもり.
- 地表面は swamp 条件.
地表面アルベドは 0 に固定.
- 暴走温室状態の計算で使っていた鉛直フィルターは適用してない.
- 自転角速度は地球と同じ値. 24時間で 1 回転.
- 分解能は T21L16.
- 120 日計算. タイムステップは 8 分.
dennou-h で 6時間15分かかった.
どこまで行けるかは未確認.
- 初期値は, 静止・280K の等温・q=10^{-3} の一様比湿
使用したソフトウエア構成は以下の通り.
- dcpam3-20061118 に物理過程モジュール(入射フラックス計算etc)を追加したもの
- gt4f90io の cvs 版. ChangeLog の最終日付けが 2006-07-25 Tuesday 12:19
となっている版
- netcdf-ffc5. deb パッケージ. バージョンは 3.6.2-1.
- 太陽定数 1380, 地球の自転角速度の場合の結果
- 変なところがいくつもあるような... OLR が 345 W/m**2 にならないのは何かがおかしい
- 昼夜間対流が卓越.
- 表面温度が一番高くなるのは太陽直下点ではなくもっと高緯度のところ.
なんで???
- agcm5 でも T21L16 の計算をやってみた
(この結果もすぐにこのページから見られるようにしたい).
暴走・凝結計算で使用してきたモデル(灰色放射, 鉛直フィルターあり)
で 500 日計算をやった.
表面温度の値などは違うが, 表面温度が高くなる領域の位置や
昼夜間対流がよく見えることなどは似ているように見える.
- しかし, agcm5 で T21L32 をやると 25 日目で計算が飛んじゃう.
原因はまったく調べていないが, 多分フィルターの値の選び方で
試行錯誤しないといけないんじゃないかなあ.
L32 の計算ができないと暴走するところまでいけないので困ったなあ.
計算スピードの比較
agcm5 : 500 日(36000 step)で 6時間49分 = 0.01136 分/step
dcpam3: 120 日(21600 step)で 6時間15分 = 0.01736 分/step
ただし, 物理過程がだいぶ違うので本当の速度比はもっと dcpam が
悪いはず.
dennou-h での計算なので, 実際にスパコンでどれくらい違うか
はまだわからない.